家を建てるきっかけ、コンセプトを掲げ、二人暮らしの始まり[結婚編]
家を建てたいと思っているが、タイミングがわからない。転勤・結婚・こども・相続といったライフイベントで考えることは異なります。考えることを中心に『目的・暮らし』をピックアップ。
- どんな人の誰のために?
- 何が問題で?
- どう解決できる?
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- 家を買うタイミングがわからない
- なかなか一歩を踏み出せない
- ライフイベントがきっかけになるかも
家を買いたいなと思いつつ、なかなか踏み出せない。SNS界隈で理想の暮らしを実現してる人がいるなかで、自分たちも良い暮らしをしてみたい。そんなこんなで、家を買うタイミングっていつ?を考えてみました。
- 結婚を機に二人の暮らしを考える
- こどもと暮らす。家族のイメージ。
- 転職して、大きく環境が変わり、新たなスタート
- 子供の巣立ち、また二人の暮らし
- 親と暮らす、介護の視点から家を再考
- 相続(親から受け継ぐ)
- 相続(我が子へ託す)
結婚
人生の一大イベントで、暮らしを見つめ直す。
結婚していようが、していまいが、家を買うタイミングに関係ないかもしれません。まずは、個人的な友人の傾向から推測してみる。
居住者がひとりから、ふたりになるタイミングで居住スペース・家のことを考えることが多いようです。当たり前と言えば、当たり前な気がしますが、一緒に住む人が増えると、どうしようか考えることはごくごく自然のことのように思えます。あと地方では、結婚と同時に家を用意するなんてことも聞いたことがあります。結婚というのは、先祖代々引き継がれてきたものを、後世につないでいく、自分たちにとっても、そして親族にとっても、それだけ大切な儀式なのだと思います。
二人暮らしのコンセプト
二人暮らしが始まり、色々と話し合いが始まります。同棲を経て結婚したという方にとっては、すでに賃貸でそのコンセプトというか、なんとなく暮らしのルール(ルーティンなど)は決まっているかと思いますが、結婚を機に、改めて暮らしのコンセプトを考えることは良いタイミングだと思います。
ここからは「北鎌倉の家」において、念頭に置いていたことがいくつかありますので、いくつかご紹介します。家づくりの参考になれば嬉しいです。
- 衣食住を最適化
- シンプルで自然素材のインテリア
- 毎日楽チン、家事動線を重視する
- ミニマルなダイニングキッチン
- リビング広々の吹抜け
- 大きな窓一面の緑
- 暮らしを楽しむ
- 狭くてもワークスペースを確保
- 家の中に居場所をいくつも作る
- 集中スペース
- 創造スペース
- 瞑想スペース
- 本棚収納はたっぷりと
- モチベーションアップのため作品を飾るギャラリー
- 観葉植物を育てられる明るい空間
- 読書のためのライブラリー
- 音楽演奏ができるホール
- 庭でバーベキュー
- 家庭菜園、花壇づくり
独身時代には考えもしなかった、住居の購入を考え始める。
まったく遠い未来ではなかった、持ち家という選択肢
まさか自分が家を買うなんて、全くといっていいほど思っていませんでした。建築業界で働いていながら、自分が暮らす空間のことなんて、特に考えたことがなかったのです。建築空間を素晴らしいものにしたいと、仕事では考えていましたが、完全にプライベートと切り離して考えており、そもそもお金もないし、そんな贅沢なことはできないと思っていたのです。
当時は賃貸暮らしでしたので、どこに住もう?と考えることは、どこの部屋を借りようか?くらいの答えしか持ち合わせていなかったのです。
結婚を境に、暮らしについて見つめ直す機会が得られました。理想の家庭像というか、ぼんやりと漠然とした、将来実現したい暮らしのイメージを少しずつ思い描くようになりました。そして、日々の暮らしについて考え、家を買うことを視野に検討を進めることにしました。
賃貸暮らしから、持ち家暮らしへ
若いうちに良いものに触れた方が、価値のある人生を送れるはず
賃貸と持ち家の違い。借りているか、持っているか、の違い。賃貸だと、毎月賃料を支払いますが、持ち家だと、急に多額の借金を背負うことになります。
これはものすごい決意が必要なことだと思います。大きな金額を長いスパンで動かす訳ですから、普通は経験や知識も必要だと思います。しかし、住宅ローンというのは比較的誰もが借りやすい金融商品なのです。注意は必要ですが、借りやすい=買いやすい。家を買うハードルはそこまで高くないというのが実感です。無理のない資金計画が大切なのは言うまでもありませんが、最終的に決断できるか否かに掛かっています。
若い頃に使う100万円と定年後に使う100万円ではまったく価値が違います。家だって同じ、若い頃の家の方が使える時間が長く利用する価値は断然高い。若いうちに良いもの(一生使い続けたいと思うもの)を使っていると、必然的に良いものに触れる時間が長くなります。
30歳であれば、死ぬまでに、少なくとも50、60年くらい使い続けられると仮定できます。
20代、30代でいわゆる高級車・時計・家具等に触れるか、死ぬ間際とは言わないまでも、定年後に触れるのとでは、根本的に使える時間の長さが違います。
なぜその商品の値段が高いのかというと、長く使えるから値段が高いとも言えます。すぐに壊れて使えなくなるものは消費時間が短い分、安く買えるという考え方でもあると思います。
家を買うことは、結婚式を挙げることに実は似ている
オプションに惑わされるな。自分の軸をもって、余計なお金を使わない。
家を買うことは、経験してみると分かるのですが、結婚式を挙げることに似ていると思います。式場の自由度にもよるのだと思いますが、式場の場所、大きさ、内装の飾りはどうする、花はどれくらい、料理はどうする、そして予算はどうする。誰を呼ぶ。などなど、決めることは盛りだくさん。
家づくりも、たくさん決めることがある。という意味においては似通っている気がします。
というのも、オプションとか追加料金の取り扱いが似通っているのです。ちょうど自分たちの要望が標準仕様に含まれていなくて、オプション扱いだったり。家を買う人の要望する内容は上手い具合にオプション扱いになっていることがあります。これは絶対必要だろ!と怒りすら覚えることも、別途料金になっていることもあります。
持ち家とは、覚悟を決めること
頭で色々と考えても、結局のところ『覚悟』だけが残る。
賃貸から、持ち家へ変わっていくのは、その暮らしのスタイルが決まるタイミングかもしれません。逆にまだ分からない、決まっていない、イメージが湧かない。のであれば、まだ賃貸の方が良いのかもしれません。
しかし、一方で、家づくりを考えながら、検討しながら、その過程で暮らしのイメージを固めていく。というやり方もアリだと思うので、焦る必要はないとも思います。
如何せん持ち家は、決める。という決心が必要なのは言うまでもありません。
逆に何も決めたくない、というのであれば賃貸の方が柔軟なので、人によっては家を持つことが合わないかもしれません。もちろん建築の作り方によって、いくらか対応することはできますが、住む場所を変えたいと思ったり、大きな変化に対応することには限界があると思います。
狭小住宅であれば、比較的ローコストに抑えられます。内装仕上げは自然素材を使いたいということであれば、多少上乗せしたとしても面積が小さいので、大きな増額要素にはなりにくいかと思います。
基本的に余計なものをつくらないで、土地に対して最大限のヴォリューム(広さ)を確保することが大切です。
広さを変えたいなら、増築すれば良いですし、部屋数を増やしたいのであれば、個室に分割できるように壁を作ればいい。
広すぎると言うことなら、減築すれば良い。滅多にないかもしれませんが、固定資産税、維持費の減額、断熱性能の向上などの対策にはなるかもしれません。
話が少し脱線しましたが、とにかく持ち家は“決める“。この覚悟が必要です。
二人暮らし
賃貸で、間取りを、まずは試してみる。今しかできないこと
いきなり持ち家で本番を迎えるというより、まずは賃貸。まずは試しにこの間取りで暮らしてみようと試してみるのもいい考えだと思っています。
もしだめなら引っ越しすればいいだけ、意外と良ければ、家づくりに取り入れれば良い。収納スペースの広さ、水周りの設備、キッチンの使い勝手、リビングの広さ、玄関まわり。それぞれの部屋ごとに、自分のこだわりポイントがあることに気がつくはずです。優先順位を確かめるのに、賃貸暮らしの時期は最適だと言えると思います。
また、家づくりは賃貸の頃からすでに始まっているとも言えます。
賃貸暮らしの生活のヒント
賃貸暮らししている時に、いつかマイホームを持ちたいなと思うことがあると思います。賃貸だと間取りに制限があったり、DIYも思いっきりできなかったり、こうだったら良いのになぁ。をいくつも思い浮かべながら生活をする。
この時は実現できないけど、後々の家づくりにおいては、このエネルギーが源泉となり、とても良い家づくりができると思います。また、賃貸でこれは良かったなと思えるサイズ感を試すことができるのは、メリットかなと思います。
二人暮らしについて、しっかりと話し合う時間
家づくりはスケジュールが長いようで、実は短い。あっという間に決めなければなりません。ふたりでじっくりと、将来について話し合うこと、暮らし方について思い描くこと、理想的な状態を共有することはとても大切な時間です。
二人暮らしのことだけでなく、将来こどもが産まれた時、あるいは相続まで、どこまで長期目線を考えて家づくりをするのかは、難しいですが。少なくともふたりの暮らしにおいて、軸となるコンセプトは準備しておきたいですね。