madorismの間取りをつくる建築家
原宏佑(はらこうすけ)
鎌倉市在住の建築家。

関東近辺で約3年の土地探しを経て、30代で北鎌倉に自邸を建築。家づくりを通して、物件探しに大ハマり、今でも鎌倉の物件情報に目がない。「鎌倉で次住むならここが一番だ!」を探し続けて、さすがに2軒目は自身では難しいので、誰かに実現してほしいと心から思い、間取りにストーリーを込めて日々作成している。

泉佐野の家

大阪府泉佐野市の個人住宅の計画。
目の前にはのどかな田んぼの風景が広がる一方で、幹線道路が近く利便性の高いエリアである。

いわゆる分譲地の一角ではあるものの、目の前の自然に対峙できる恵まれた敷地ではあるが
今後の開発の様相にも耐えうるような住宅の在り方を考えたいと考えた。

そんな将来の予期せぬ出来事にも配慮できるように苦慮した。

この住宅では東西に視線の抜けはあるものの、南側に住宅が差し迫り、採光を得るための建築的な操作を試みた。

北側に水回りを配置し、南側にリビング・ダイニングとなるべき空間を計画した。

南側にハイサイドライトを設け、細長い吹き抜けを部分的に設けることで、日中の柔らかな光が得られる。

住宅において、階段の位置が大切なことは言うまでもない。
面積効率、使い勝手、そして空間の豊かさを感じる魅せ場になる訳だが、建物の印象を形作る上で
必要不可欠な階段の作り方と向き合う。

この細長い光窓は、日当たりの望めない1階の空間に豊かな暮らしをもたらす。北側からの季節を通じて安定した太陽光は心地の良い時間を生み出す。光窓と階段において、上下の動線計画を兼ねることによって、面積効率の良い、極めて合理的な計画になる。

2020年10月
個人住宅
【Type】建築/Architecture
【Sort】住宅/House
【Site】大阪府泉佐野市/Osaka-Izumisano