ambitect
貯める・探す・描く・つくる・暮らす
2014年に設立されたデザインディレクション『ambitect』。建築に関わる5つの力(貯める・探す・描く・つくる・暮らす)をベースとした、デザインコンサルタントを行う。SNSにて暮らしの情報を発信し、2023年より『暮らしの窓口』を開設。

暮らしのコンセプト『都心→準都心』仕事中心→暮らし中心へ|身の丈にあった暮らしを実現

記事の概要

都心周辺で土地を探していて、都心・準都心のエリアを検討中。暮らしのスタイルに応じて、土地探しのコンセプトを2つご紹介。どちらが優れているという訳ではなく、自分の価値観・思考・好みによって選択は変わってくる。土地探しの一つの意見としてぜひ参考にしてみてください。

記事の目的
  1. どんな人の誰のために?
  2. 何が問題で?
  3. どう解決できる?

  1. 都心周辺で土地を探している
  2. 都心or準都心で迷っている
  3. 暮らしのコンセプトを2つご紹介

暮らしのコンセプト

暮らしといっても人それぞれ、習慣も違えば、価値観も異なる。すぐにコンセプトを決めていくのは難しいですが、都心と準都心の2つの暮らしを検討していたので、何を考えていたのか参考になれば嬉しいです。

選択したのは『準都心』での暮らしを選びましたが、今でも都心での暮らしにとても憧れを感じています。今の暮らしをいつまでやり続けているかわかりませんが、ずっと住んでいるかもしれません。
暮らしの向く方向が変われば、柔軟に変化に対応したいとは常々考えています。

準都心とは都心部から電車で1〜2時間圏内で、実現できる“身の丈にあった移住”というエリア。都市の利便性も田舎暮らしの良さも手放さず、その両方を自分に合った形で享受する。

1. 都心(仕事中心の効率優先型)

利便性の高い立地。時間を効率よく使えるのが、都心に住む最大のメリット。あらゆるコト・モノが近くにあり、生き方・働き方ベースの暮らし。『職住近接の利便性の高い暮らしを実現』

都心での暮らしで実現できそうなこと
  1. 美味しいレストランにすぐに行ける
  2. 展覧会や美術館など、新しいものに触れやすい
  3. 新しいサービスやお店が集まっている
  4. 病院などの医療機関が整っている
  5. 仕事の選択肢が多い
  6. 通勤の利便性が高い
  7. 人との出会いが多い
  8. 終電を気にしなくてもよい
  9. 車がなくても生活していける
  10. 資産価値が高い

目的が商品化していたり、消費することを前提としてサービスが存在している。移動時間が節約できたり、様々なサービスを受けやすいといったイメージ。密集・コンパクト・近い。サービスを受けるためにお金をかければ、効率を高めることができる。

明確な目的(コンセプト)で、都心に暮らす。

目的の実現のために都心で効率の良いライフスタイルを選ぶ。

美味しいグルメを好んで食べる習慣があるのであれば、多くのレストランが集まる都心が魅力的だと思います。イベントや最新情報を知りたい。たくさんの人と出会いたい。あるいは、仕事であらゆる情報を収集する必要があるなど、プライベートと仕事の両方ともにメリットが感じられるのであれば、是非都心暮らしを推薦したいですね。

実現したいことに対して、都心の近くに住むという手段を選ぶことは、仕事と住む場所に密接な関係にあるような気もする。インターネットで世界がつながるといえど、リアルな世界がまだまだ主流で。似通った考えを持つ人々が、あるエリアに密集する。

格差の広がる都心

より多く稼ぐ人がより近くに住む(ことができる)、稼げない人は遠くに住む(しかない)。この構図が一層明快なのが都心エリアかもしれない。密集して・土地が少ない中で、激しい椅子取りゲームでひたすらに希少価値の高さを追い求め、手に入れられるものは、思っていたより”わずかな”利便性の差でしかないのかもしれない。現実とは乖離した富のシンボルが乱立していることが面白おかしい。

つまり、青天井の世界であるため、その競争で自分を見失ってしまわないようにする必要がある。何を目的に暮らすのか明確にした上で都心暮らしを選択したい。

単に職場に近いから、という理由で住んでいると、都心に暮らすことのメリットを最大限享受することは難しい、自分なりのコンセプトを掲げ、都心で暮らす『職住近接』の相乗効果を最大限活かしたい。

2. 準都心(暮らし中心の自分らしさ追求型)

住環境の優れた立地。十分な広さの土地を自分仕様にカスタマイズできるのが、準都心に住む最大のメリット。理想のスタイルを掲げ、手に届く範囲が理想の暮らし。『一土一暮(自給自足)をひとつひとつ作り込んでいく暮らしを実現』

準都心での暮らしで実現できそうなこと
  1. 同じ価格で土地が広い
  2. 趣味を中心としたの家づくりができる
  3. 暮らしの質を高められる
  4. 自然が近く、アウトドアやレジャーが気軽に楽しめる
  5. 山や海、緑が多く景色が良い
  6. 人が少なく、混雑しない
  7. 公園が広く、子育て環境が良い
  8. 地域ならではのつながりがある
  9. 車ライフ・庭づくりを楽しめる
  10. 資産価値の高いエリアはある

暮らすことを目的とし、自分時間の質を高めたり、自由にカスタマイズして充実させていくといったイメージ。趣味・自分らしさ・自然とのつながり。ライフスタイルに応じて、様々な選択肢があり、土地を選ぶ楽しさ、家をつくる楽しさがある。

仕事中心から、暮らし中心へ

これまでは仕事のある場所に暮らすことが当たり前でしたが、テレワークの普及によって、都心から少し離れた準都心のハードルは低くなりました。おうち時間が増えたり、これからの生き方を見つめ直すタイミングが生まれたりしたことで、“仕事ではなく暮らしから住む場所を決める”と考えを変える方が出てきたのは事実だと思います。

自分らしさ・暮らし追求のテーマは人生において大切なことだと思っています。老後の年配の方の生活を思い描くかもしれませんが、そんなことはなく、若い頃から実践していっても良いと思います。

良いモノに囲まれて暮らす

若い頃に家を建てることの良さは、自分の価値観に合った、良質なモノに囲まれて暮らせることだと思います。若ければ若いほど、必然的に良いモノに触れる時間は長くなります。20〜30代で家を建てることは、経済的にも厳しいことは承知していますが、40〜50代とは異なり、暮らしの質が随分と高められると思います。

良いものに触れると、良い機会にも巡り逢えるかもしれません。身の丈にあった暮らしを選択することは、準都心で可能になることだと思います。お金の面でも、環境の面でも比較的選択肢も多く、ライフスタイルに応じて変化に対応できるからです。

暮らす場所の第3の選択肢

暮らしの拠点として、大きく分けて3つのエリア『都心・準都心・地方』で今のライフスタイルに適しているかどうかを判断に検討していました。

都心かそれ以外か、どっちかしか無かった

都心の仕事中心・地方の暮らし中心の2極化。どっちかしかないなと当初は抱いていましたが、結局どっちも欲しいなと、少し欲張りな考えに至り、ちょうどいい距離感の暮らし方はないものか。どちらか決めない状態のどっちつかずな家づくりのスタートでした。

その当時、コロナで仕事環境が変わったり、世の中が変わっていくことを目の当たりにし、仕事中心より暮らし中心にシフトしていきたいなと思うようになりました。

暮らしの質を高める指標:QOL(Quality of Life)

クオリティ・オブ・ライフ:QOL(Quality of Life)とは「人生の質」「生活の質」などと訳されることが多く、私たちが生きる上での満足度をあらわす指標のひとつです。QOLを高めるために、便利さと暮らしの両方に基軸を置く考え方に魅力を感じ『準都心』という第3の選択肢を選びました。

欲張りな家づくりの初期イメージ

都心のコンクリートジャングルに暮らすことに魅力を感じなくなり、かといって地方の里山で土を耕し、自力で作物を作れるような自給自足の生活をしたいとも思っていませんでした。

家づくりのざっくばらんなイメージ
  1. 高層ビルに囲まれて空が狭いのは嫌
  2. なんだかんだ人混みは疲れる
  3. たまに都心で買い物をしたい
  4. 美味しいレストランが数件近くにあれば良い
  5. 大きすぎず、小さすぎずな暮らしをしたい
  6. 家の中から緑が見えるが、距離感は程々に
  7. カーライフを楽しみたい
  8. 駅まで平坦が良い
  9. 近所のほどよい距離感
  10. 資産価値の高いエリア

重要視したのはこんな感じ。都心まで電車で移動できること、かといって車も所有したい。自然に囲まれ、緑の景色を楽しみたい。だけど、田舎ほど不便な場所ではなく、人との距離感も近くなくて、遠くもない。程よい感じ。

さらに資産価値も高い。そんなエリアあるのかないのか、わかりませんが。資産価値が高いとは、価格が高いというわけではなく、値下がりしにくい。という意味で資産価値が高いということです。とにかく欲張っていました。欲張ってダメなら妥協するしかない。どうせダメだろう、とそこまで悲観的には考えていなく、楽観的になんとかなるだろうと思っていました。

著:村山 伸子, 著:藤井 誠二, 監修:猪口 孝, 編集:村山 伸子, 編集:藤井 誠二
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