madorismの間取りをつくる建築家
原宏佑(はらこうすけ)
鎌倉市在住の建築家。

関東近辺で約3年の土地探しを経て、30代で北鎌倉に自邸を建築。家づくりを通して、物件探しに大ハマり、今でも鎌倉の物件情報に目がない。「鎌倉で次住むならここが一番だ!」を探し続けて、さすがに2軒目は自身では難しいので、誰かに実現してほしいと心から思い、間取りにストーリーを込めて日々作成している。

Pencil Bench_えんぴつベンチ

えんぴつ
製造工程
憩いのベンチ

えんぴつロード「えんぴつベンチ」で6つの製造工程をデザインに落とし込む。地域の憩いの場としてのベンチ、企業アイデンティティの象徴としてのオブジェクトを計画。
実はえんぴつの製造工程は「スラット」と呼ばれる板の間にえんぴつの芯をサンドして、六角形のかたちに削っていく。木にドリルで穴を空けて、その穴の中に芯を充填するのではないというところに驚きを感じ、その意外な製造工程を表現することにした。

製造工程がわかりやすいように並べるのが、本来のミュージアム的な考え方ではあるものの、地域の憩いの場としてのベンチを計画することが大前提であるため、人と人の距離感であったりえんぴつロード全体を通しての雰囲気を重視することにした。

プロダクトが出来上がっていく工程に興味がある。

無駄のない完全なるものを目指して。
つくる喜び。
手に取る喜び。

その全てに敬意を込めて。

その姿の一つ一つにはまさに、製品を開発した当初の思いが驚きとともに詰まっている。
日々の生活の中で、忘れ去られた景色。見つめる心。

ベンチとしての機能を果たしつつも、心底の遊びココロをシンプルにかたちにした。

人の動きの中で捉えること。
静止しているもののわずかなゆらぎ。

ふとした気付きが見る人の感覚を揺さぶる。

抽象的な彫刻としてのベンチ。
動かぬ物質の動的な意識の変化。

記憶の反復、そして切断。統合。
形象を削ぎ落としたミニマルな表現。

ドナルドジャッドの作品のように
デザインが極限までそぎ落とされた時に、物としての本質が浮かび上がるような

そういう空気感をあの場所で実現したかった。

ambitect(アンビテクト)が建築実務経験の中で所属していた会社にてデザイン。建築だけでなく、家具、プロダクトまで幅広いデザインを手がける。

下記のスケッチを元に、ベンチというプロダクト製品の精度を高め、コンセプトから実施図へ。モノとしての質感を高めることを、実務を通して学んだ。

少し前にえんぴつのかたちをしたベンチをデザインした。
ネット上でも、想定以上の反響があり共感いただいた良い経験である。
検討当初はベンチを長くしていたり、もっとたくさんのスラットを重ねた方が面白いのではないかと試行錯誤。最終的にコストやベンチとしての使い勝手等を考慮し、現在の形状に落ち着きました。


場所は東京都品川区大井町駅の近くにある、えんぴつロード。是非一度ご覧いただけると嬉しいです。