madorismの間取りをつくる建築家
原宏佑(はらこうすけ)
鎌倉市在住の建築家。

関東近辺で約3年の土地探しを経て、30代で北鎌倉に自邸を建築。家づくりを通して、物件探しに大ハマり、今でも鎌倉の物件情報に目がない。「鎌倉で次住むならここが一番だ!」を探し続けて、さすがに2軒目は自身では難しいので、誰かに実現してほしいと心から思い、間取りにストーリーを込めて日々作成している。

ウィリアム・エンプソン著「曖昧の七つの型」概念図

曖昧の七つの型について
Seven types of Ambiguity

ウィリアム・エンプソン氏が著した「曖昧の七つの型」という曖昧に関しての類型学的試論。

以下に曖昧の七つの型の概念図を示す。

これは曖昧をその度合いによって分類したもので、曖昧の捉え方を細分化できることを示唆している。

”曖昧”は日本建築の中に芽生え、あまりにもあたりまえであるが故に、研究はほとんどなされていない。

建築に関しての体系的な分類も存在していないが、建築にも曖昧という概念は存在するし、その空間的な要素について深堀してみたい。

第一類型は語あるいは文法構造が同時に数個の効果をもつ場合。
文法構造としての意味がいくつかの意味に捉えられる場合であり、最も基本的な曖昧の状態といえる。
文脈からひとつの意味として限定することができない場合はこの第一類型が当てはまるが、この曖昧の型を選択する場合はひとつの意味として伝えていないか、もしくは多数の意味を伝えるための技法といえる。
構造が非常に明快で単純であるため、曖昧の状態を最も端的に示している型であり、文脈によっては曖昧ではなく明確に意味を伝えることができる。

第二類型は二つのあるいはそれ以上の意味が融け合って一つの意味になる場合。
第一類型と比べると、文脈による意味を捉えることによって本来の意味とは異なる解釈を可能にしている例である。

第三類型は二つ以上の意味を持つ語の書く意味が、コンテクストの中でともに適切である場合(すなわち地口)

第四類型は文章の意味が二つ以上あり、それぞれの意味がたと一致せずに複雑な心理状態を明らかにする場合

第五類型は比喩が正確にあてはある対象を持たず、二つのあいだで宙ぶらりんになり、一方から他方へと動いているような場合

第6類型はある語が、類語反復や矛盾を引き起こし、結局なにひとつ述べていない場合

第七類型は語の二つの意味が、コンテクストによって限定された二つの対立する意味をなし、基本的分裂を示している場合

※曖昧の七つの型_Seven types of Ambiguity
ウィリアム・エンプソン_William Empson(著)
岩崎 宗治 (著)
出版社: 岩波書店 (2006/4/14)

よかったらシェアしてね!