土地探し|コンセプトプランをベースに総予算の確度を高める(家を購入する流れ Part.3)
土地探しの確度を高めるためにはどうしたらいい?注文住宅のデメリットである不透明な予算を早期段階でクリアにする流れをご説明します。
- どんな人の誰のために?
- 何が問題で?
- どう解決できる?
→
- 注文住宅の購入を考えている人
- 土地の予算が決められない
- 早期に建物概算金額を確認する手順を紹介
注文住宅を建てる時の流れ
今回は土地探しの初期段階にオススメする”やるべき”ことにフォーカスして、理想の家づくりの流れをご紹介します。土地探しだけでなく、早い段階で「暮らしと建築」を想定するためのコンセプトプランを練ることが家づくりにおいて重要なポイントです。是非今回の記事を読んでみて、自身の家づくりの段取りについて考えてみてください!
それでは、よろしくお願いします。
ambitectがオススメする土地探しの流れ
注文住宅を建てるための土地探し。家づくり初心者の方は土地の予算を決める段階から、戸惑うことも多いと思います。住宅だけでなく様々な用途・規模の建築計画に関するプロであるambitectがオススメする土地探しの流れを紹介します。
今回紹介する方法は、一見すると遠回りで特殊な方法に思えるかもしれませんが、確実に押さえるべきポイント(主に価格面、建物のスペック)を石橋を渡るかのように、順序立ててクリアしていくことで、理想の家づくり(建築づくり)が可能になります。
・住みたい街の環境やエリア
・ライフスタイル(都心、準都心または郊外)
・最寄駅までの徒歩、バス、自家用車の所要時間
・平日(ON):スーパー、日用品の買い物等の利便度
・休日(OFF):レジャー・運動施設等の充実度
・周辺施設:子育て施設、学校、医療・福祉施設等の充実度
まず最初に、これからどんな暮らしをしたいのかイメージを固めていきます。じっくりと情報収集したり、自分たちの生活について改めて考えてみてください。
家づくりは暮らしを一から考え直す良い機会なので、是非自分たちの暮らしをアップデートする気持ちでイメージを膨らませてもらえればと思っています。ポイントは挙げるとキリがないのですが「自分たちが大切にしたいこと、優先したいこと」などの”今後の意思決定”の軸をイメージできるようになればOKです。
・家づくりの目的が明確になる
・暮らしの動線(1日の流れ)を把握できる
・お気に入りの場所についてじっくり考えられる
・見積金額(概算金額)を知る手がかりになる(後々ご説明します)
暮らしのイメージをある程度掴んできたら、一度思い切ってコンセプトプランを作ってみてください。コンセプトプランはざっくりとしたもので十分です。いきなり間取りを考えるのではなく、生活シーン毎にどういった空間が良いんだろうか?と妄想を膨らませるだけでもOKです。
例えば、夕食の支度をしている時に、「料理はこういう感じでできたらいいなぁ。料理が完成したら、ちょうどいい器をこんな棚から選んで、盛り付けをして、こんな風に配膳して、食事を食べる時にこういう景色が見えると素敵だなぁ。」だとすると、「キッチンはこんな感じで、ダイニングからはこんな景色が見えるようにしたほうが良い」となんとなくイメージができるようになると思います。
こういった感じで、生活シーン毎に理想の姿をいくつも考えて、幾つものシーンが実現できるように、後からつなぎ合わせていく感じ(辻褄を合わせる)。ちょうど映画の絵コンテを作るようなイメージです。
最も理想的で、強く、居心地の良いと感じる空間がコンセプトプランの軸になります。最初は戸惑いますが、暮らしから建築をイメージするにはこの作業の繰り返し・つなぎ合わせが大切です。具体的なイメージを突き詰めていくと自然とコンセプトプランを描くことができるようになります。
・土地広さを決める(コンセプトプランで建物広さを決める)
・立地はあまり気にしなくてOK(広域エリアまでは絞る)
- WEB(SNS)検索や雑誌などで工事会社リストを作る
- ホームページの見易さ、SNSの更新頻度を確認する
- 工事事例を確認する
- 実物を見に行く(見学会に参加する)
- 同時に、工事依頼する場合の相談をする(雰囲気の確認)
コンセプトプラン作りと並行して、工事会社の候補を選定しましょう。ホームページなどで事例をチェックするのは、自分たちのイメージに近い建物を実績として施工した経験があるかどうかを確かめるためです。また、事例はイメージと必ずしも一致するものではなくてもOKです。様々なタイプの住宅(外壁仕上、内装仕上など、様々な素材を使っている)を作っているなど、自由度が高そうだなと思えるかどうかが重要なポイントです。
基本的に構造は、主に木造が多いと思います。ただ、RC造・鉄骨造などにチャレンジすることを視野に入れている場合は、構造についても事例があるかどうかを確かめる必要があります。
- 候補地が工事可能なエリアかどうか確認する
- 建築設計事務所が設計者になっている事例の有無を確認する
- 自分たちが作ったプランで、建てられるか確認する
工事対象エリアかどうかはまず確認しておいてもらいたいのと、どうしても外れる場合は具体的なエリアで可能かどうか念の為確認しておいてください。基本的にはホームページに掲載されていることが多いですが、記載がなければ問い合わせてみることをオススメします。
設計事務所が作った自由度の高い図面に対して、施工実績があるということはアドバンテージになります。様々な材料の手配や作り方に関するノウハウが工事会社に蓄積されているからです。
設計事務所の事例があれば問題ないですが、工事会社によってはプランは必ず自社で作成するということもたまにあります。ベースプランがある程度決まっていて、自分たちの要望が叶えられない可能性があるので、この場合は、よほどの思い入れがない限り候補からは外れます。
・全体予算(土地・建物)のバランスを調整できる
・土地の探し(予算)が明確になる
・建物のグレード感を余裕をもって調整できる
・家づくりのモチベーションが上がる(総額把握のスッキリ感、計画の確度が一気に高まる)
いよいよ工事会社の候補が決まってきたら、概算金額を把握するために見積もり依頼をします。見積もり依頼はコンセプトプランで行います。工事会社から提示される金額は、希望する住宅のスペック(外壁仕上・内装仕上・住宅設備等)を盛り込んだ見積もり金額なので、後々のブレが少ない建物金額を把握することができます。
土地を決める前に、不透明な建物の予算感が把握でき、先手をとることで、コストコントロールが容易に可能になります。不透明な建物金額を”まず押さえる”ことで、全体予算からのブレを修正することができ、かつ明確に数字として表れることで、全体計画の透明性が高まります。
初期段階の建物金額の把握が、注文住宅を効率的に進めるための必須項目!!
(注文住宅では金額が事前に把握できないことが多く、悩みの種であり、敬遠される理由でもあるが、このハードルを、まず最初に解決できるのは、大きなメリット)
余談ですが、初期段階の見積もり依頼のメリットは、建物金額の予算感がわかるだけではなく、モノ決めに関してもスタートダッシュを切れているため、全体のバランスを見たり、ブレの少ない(途中で設計変更する可能性が比較的少ない)ため、施主の負担を分散させることにもつながります。モノ決めは多岐にわたり、思っている倍以上のことを決めなければなりません。これは注文住宅の楽しみでもあり、大変な作業であり、宿命なのです。
- コンセプトプランの建物広さをあまり変更しない
- とにかく立地条件を優先する
- 土地広さと坪単価を意識する
コンセプトプランと並行して進めていたものの、建物の金額が把握できていなかったため、本格的にはこのタイミングで土地の予算が決まると考えてください。(コンセプトプランの段階では「土地の場所」はそこまで重要視せず、理想的な土地広さや建物広さが決められれば問題ないです)
建物価格が把握できた途端に、全体予算に現実感が帯びてきます。土地・建物の割合を改めて考え直すのもこのタイミングが最終段階です。
コンセプトプランで選んだ土地でそのままスタートを切れる場合は、土地決定となりますので、以降の作業は発生しません。
もし見直しが必要な場合は、STEP2のコンセプトプランを再度作成し、同じことを納得のいくまで繰り返します。とはいっても、余程のことがない限り、2回目で決まることが多いです。また、1度プランを作っているため、プランは微調整程度になるはずなので、時間をかなり短縮できます。
経験者のみぞ知ることだと思うのですが、土地購入は壮絶な椅子取りゲームであり、時間との勝負です。
- 土地(物件情報)が掲載される
- コンセプトプランを作る
- 確度の高い概算見積もりで金額把握
- 土地を購入する(まずは仮契約)
の工程を短縮して再実施できることが、早期にコンセプトプランを作る最大のメリットとも言えると思います。
土地探しの4つの方法
- インターネットで検索
- 新聞の折り込みチラシや街角の掲載
- 不動産会社に相談して探してもらう
- 工事会社に相談して探してもらう
相場価格を知ったり、どんな土地があるのかざっくりとした調査をするならインターネットやチラシで下調べをしましょう。おすすめはインターネット掲載サイトで調べることです。調べ方については前回の記事を参考にご覧ください。
「③不動産会社に相談する④工事会社に相談する」については、計画を進めていく段階で、コンセプトプラン用の物件資料(土地や建物の図面情報)の提供を受けたり、見学会に参加するなどで、言わずもがな並行して相談することになると思います。初期段階でわざわざ土地を探してもらう(おんぶに抱っこ)より、ドライな関係でも特段問題ないと思っています。
なぜなら、自分たちが十分な検討ができていない状態で、提示された限られた情報で判断するのは時期尚早だからです。まずは、自分たちの「ベスト」を考えることを最優先してください。
不動産屋や工事会社は(ほとんどの場合、情報弱者である)買主よりも多くの知識があるため、想定していなかった方向で契約を進めてしまうこともよくある話です(それが絶対にダメということはありませんが、オススメはしません)。とりわけ、全国の不動産会社で情報共有している「レインズ」というWEBの物件検索システムは、どこの不動産屋さんでも、平等に取り扱いしていますので、どこへ依頼しても違いはほとんどありません。
SUUMOなどの検索サイトで十分な理由としては、「不動産屋に頼もうが、インターネットで探そうが、リーチできる物件数に変わりはない」からです。
売主は高く(早く)買ってくれる買主を探しているので、より多くの目に触れるインターネットを活用しない手はないからです。つまり、無料検索サイトだけで、ほぼすべての物件数がカバーできていると考えてOKです。
※上記はあくまで、自分の実体験に基づいた不動産情報の取り扱いなので、不動産屋が仕入れた自社物件については、また違ったスキームがあるかもしれません。なので、希望する物件情報を不動産屋に提示して、仕入れてもらい、売ってもらうように交渉したりするのは、一旦は後々のフェーズとして考えていただければと思います。
土地探し後の土地購入や家の建築、入居までの流れや期間は?
土地探しと家の建築計画は同時並行で進みます。土地購入に際して費用の支払い方法について、事前計画が必須です。住宅ローンの事前審査、土地代金の支払い方法を決定し、総予算を把握しながら計画を進めることが大切です。
以下に一般的な流れと期間の目安をご紹介します。
土地購入(不動産物件)の流れ
建築に住宅ローンを利用する場合は、家づくりを検討し始めた段階で事前審査を申し込みます。
土地購入費用についてもローンを利用したい場合は、土地と工事では決済のタイミングが異なるので、住宅ローンの実行までつなぎ融資を利用することが多いです。
ただし、どの金融機関でもつなぎ融資が可能なわけではなく、住宅ローン選びの段階で利用ができるか確認しておく必要があります。
土地を決めたら買付証明書を提出し、その1~2週間後には仮契約を締結します。
売買代金の10%程度の手付金を支払い、実質的には本契約と同等の効力を持ちます。
この後、契約を解約すると違約金が発生するので注意しましょう。
不動産会社から重要事項説明を受け、不動産売買契約を結びます。土地購入費は下記が一般的です。
①自己資金で残金を支払う
②住宅ローン実行時までつなぎ融資を受ける
土地の所有権保存登記をします。
自分で手続きすることも可能ですが、司法書士などに依頼するのが一般的です。
建物購入(家づくり)の流れ
土地が決まれば、購入手続きと並行して住宅のプランニングや契約手続きも行っていきます。
間取りやデザイン、設備などの住宅プランを決定し、工事会社と工事請負契約を結びます。
住宅ローンを利用する場合は、工事請負契約を結ぶタイミングで本申請となります。
契約が済むと、工事開始です。決められなかったモノ決めに関しては、工事の進捗に応じて決定するので最初の2、3ヶ月は慌ただしくなりますが、徐々に落ち着いてきます。
間取りや工法によってもことなりますが、工事期間は6〜9ヵ月程度が一般的です。
住宅が完成したら、完了検査で立会い確認を行い、初期不具合がないかどうかチェックします。
引渡しと同時に住宅ローンが実行され、残金が決済されます。
ambitectが提供するサービス
家づくりに必要なコト、ぜんぶ。
建築家が「ミニマルな暮らしのベースづくり」をサポートします。
\ お気軽にお問い合わせください /
見 学 会 の お 知 ら せ
(期間限定開催予定)