madorismの間取りをつくる建築家
原宏佑(はらこうすけ)
鎌倉市在住の建築家。

関東近辺で約3年の土地探しを経て、30代で北鎌倉に自邸を建築。家づくりを通して、物件探しに大ハマり、今でも鎌倉の物件情報に目がない。「鎌倉で次住むならここが一番だ!」を探し続けて、さすがに2軒目は自身では難しいので、誰かに実現してほしいと心から思い、間取りにストーリーを込めて日々作成している。

ARNE JACOBSEN SUITE 606_ヤコブセンスイート

デンマークにあるラディソンSASロイヤルホテルの606号室はアルネ・ヤコブセンによってデザインされたスイートルームである。

建築当時のミッドセンチュリーのモダンデザインを垣間見ることのできる貴重な空間。「ヤコブセン・スウィート」
1960年から今も変わらない家具たち。
オブジェのような、鮮やかなブルーによって統一された色調。
主だって目を引くのは
エッグチェア(1958年)
スワンチェア(1958年)
ドロップチェア(1958年)
その他、AJカトラリーやステルトンのコーヒーポットなど、不朽の名作がショーケースに飾られています。

「完璧な美しさ」にこだわったヤコブセンの究極のスウィート・ルーム。 蘭の香りに満ちた、至福のときが待っていました。

アクセントカラーとしてブルーのファブリックを用いながら、腰壁高さに統一された木目調の素材が落ち着き感を醸し出し。同じモジュールによって造作されたデスクも一体感がある。

木材の腰壁により、全体的な重心がやや低めに見えるため、空間に広がりが感じられる。照明は乳白色のガラスにより、光源が隠されており、必要なところに照明をもってくる、北欧ならではのタスク・アンビエントのデザイン意図も随所に感じられる。

オーダーメイドがもたらすラグジュアリーな体験。近年見られるスイートルームの広さや豪華さがあるわけではないものの、ミッドセンチュリースタイル特有の、好きな人にはたまらないディテールが散りばめられている。

ドロップチェアはやわらかな曲線。上から見るとまるで卵のような形。この背中から肩甲骨のちょうど真ん中へ狭まりながら、背中を支えてくれる。すっきりとしたスタイル。背もたれとして不足かというと、そうではなく、逆にこのとんがった感じが集中力を高めてくれる。なにより、椅子があるだけで、空間を引き締めてくれる存在。

SASホテルのファサードはポールグルン大理石が使われており、エントランスホールの壁と同様の仕上げ、均質なスパンを繰り返し反復している。

デンマークにあるラディソンSASロイヤルホテルの606号室はアルネ・ヤコブセンによってデザインされたスイートルームであり、ヤコブセン好きにとっては訪れておきたい空間である。

DATA

アルネ・ヤコブセン・スイート/The Arne Jacobsen Suite

【Type】建築/Architecture
【Sort】ホテル/Hotel
【Site】Hammerichsgade 1, 1611 København, デンマーク
【Architect】アルネ・ヤコブセン/Arne Jacobsen

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