madorismの間取りをつくる建築家
原宏佑(はらこうすけ)
鎌倉市在住の建築家。

関東近辺で約3年の土地探しを経て、30代で北鎌倉に自邸を建築。家づくりを通して、物件探しに大ハマり、今でも鎌倉の物件情報に目がない。「鎌倉で次住むならここが一番だ!」を探し続けて、さすがに2軒目は自身では難しいので、誰かに実現してほしいと心から思い、間取りにストーリーを込めて日々作成している。

Bruder Klaus Field Chapel_ブラザー・クラウス野外礼拝堂

草原に佇む土の教会
ブラザー・クラウス野外礼拝堂

「枯れ草」と「土」と「建築」の原風景

この建築には新緑の緑が似合うという感じではなく、ちょうど晩秋の少し茶色がかった草原が風情がある。
2007年に建てられたので、比較的に新しい建築であるが、良い意味で年を重ねているといった雰囲気がする。

それはこの建築の素材が枯れ草と土でできているからなのか、ずっと前からこの場所に建っていたかのように感じられた。

土を地層のように積み重ねた版築という工法なのだろうか。
日本の社寺建築と比べてみると、巨大な築地塀の内部をくり抜いてそこに空間ができたというような感じである。

そういった古来の工法を用いることで、どこか古めかしい原始的な印象を与えることを意図したのかもしれない。

真っ直ぐでない地層の線
手作りの建築

そもそも建築に手作りでないものなどないのだが、こういう人の痕跡があるものにどうしても惹かれる。

温かな土の触感と冷んやりとした金属の扉の対比
互いに性質の異なる素材の粋な使い方

設 計:ピーター・ズントー / Peter Zumthor
所在地:ドイツ ヴァッヘンドルフ / Wachendorf (Mechernich), Germany

DATA

ブラザー・クラウス野外礼拝堂/Bruder Klaus Field Chapel

【Type】建築/Architecture
【Sort】野外礼拝堂/field chapel
【Site】Iversheimer Str., 53894 Mechernich, ドイツ
【Architect】ピーター・ズントー/Peter Zumthor

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