ambitect
貯める・探す・描く・つくる・暮らす
2014年に設立されたデザインディレクション『ambitect』。建築に関わる5つの力(貯める・探す・描く・つくる・暮らす)をベースとした、デザインコンサルタントを行う。SNSにて暮らしの情報を発信し、2014年に設立されたデザインディレクション『ambitect』。建築に関わる5つの力(貯める・探す・描く・つくる・暮らす)をベースとした、デザインコンサルタントを行う。SNSにて暮らしの情報を発信し、鎌倉エリアの物件情報に目がなく、販売中の物件の”間取り”を提供するサービス『madorism』を開設。

谷中三丁目計画

東京都文京区谷中3丁目の個人住宅の計画案である。
今回計画の敷地は東京千駄木駅のほど近く、谷根千エリアに位置している。このエリアは洒落た店舗が点在しており、閑静な住宅街である。

路地が幾重にも張り巡らされた環境において、土間のある住宅を計画した。

エリアの各所に小さな木造住宅が密集し、細い路地が張り巡らされているのが谷根千エリアの特徴である。

この辺りには誰もが通ることのできるいわゆる、公の道路がヒューマンスケールに存在しているが、実のところ法律上は私有地の一部でありながら、建築基準法上の架空の道路として設定しているといった感じ。

この小さな敷地の前面道路も同様に私有の土地ではあるが、公の道路としてみなされている。

建前上は道路として皆と共用のものになってしまうが、本音では自分の土地として使いたいはずである。

敷地の一部が建築できないため、建物はセットバックせざるを得ない。建物は小さく建築せざるを得ない。
そうはいっても、少しでも空間を広く活用したいため、道路の一部を”通り土間”として建物の中につくれないかと考えた。

そうすることで、建物の外にある道路を私的に捉えられるし、敷地の外側までも、自分達のテリトリーとして感じられるような気持ちがしてくる。

この建物の大きな特徴は3つ。
1)<住環境の向上>
・通り土間の奥には坪庭があり、建物の各部屋からその様子を眺められるようになっている。
・狭いながらも四季折々の自然を感じられる。
・風通しもよくなる。

2)<将来対応>
・間仕切りによって可変性のある室構成が可能。
・ワンルームとしても、個別の部屋としても使用できる。

3)<店舗利用可能/ギャラリー/事務所/アトリエ>
・1階の通り土間は地域とつながるフリースペースになっている。
・道路の延長として通り土間を捉えることもでき、広がりのある空間となっている。

3つめの”フリースペース”がこの谷中地域ならではのポイントになっており、感覚的ではあるがちいさな雑貨屋、飲み屋、カフェなどが点在するこのエリアならではの空間の面白さを生み出せそうな感じがする。

2020年11月
個人住宅
【Type】建築/Architecture
【Sort】住宅/House
【Site】東京都文京区/Tokyo