戦略的デザインコンサルタント
ambitect
一級建築士として、家づくり・間取り・場所と事業に関わる判断を、第三者の立場で整理しています。

ambitectが大切にしているのは、「あるものを生かし、ないものをつくる」こと。

建築、都市、不動産、暮らし、事業など、異なる領域を横断してきた視点から、土地の条件、図面に表れた違和感、暮らし方の希望、事業の目的を丁寧に読み解きます。

そこにすでにある価値を見つけ、まだ言葉になっていない迷いや可能性を、納得して判断できるかたちへ整えていきます。

KIASMA_ヘルシンキ現代美術館

2つの軸が交錯する空間「キアズマ」
ヘルシンキ現代美術館

歪みのある空間
動きのある空間
導かれる空間

2つの軸が交わろうとするものの、アールを描いた壁面が奥の空間へと引き込む。壁面は段構成に分割されていて、その空間軸の複雑さを表現している。斜めに傾斜しながら、進んでいくスロープは、パースペクティブに効果的で、奥行き感が増すだけでなく、その上段の別軸の垂直な壁面との僅かな差異を強調するには十分足る。

奥行き方向の幾重ものレイヤーがありつつも、スロープを伴う上下運動が前進するため。なんともいえない身体的には常に揺さぶられるようなイメージを感じる。常に自分が何処にいるのかを把握し続けるため、あちらとこちらの距離や関係性を複雑に絡め合わせながら空間を味わうことになる。

さらに、秀逸なのはヘルシンキの高度の低い光を捉える形態によって生み出されるこの場所ならではの空間の質。

真っ白ではなく、少しくすんだ白の壁面。
全体のテクスチャに翳りがある。

その少し霞みがかった素材感がヘルシンキの空気に馴染んでいる。

曇り空のような、空気感の中に差し込む一片の光線

陰りのある光に溢れた空間がここに生まれている。

DATA

ヘルシンキ現代美術館/Nykytaiteen museo Kiasma

【Type】建築/Architecture
【Sort】美術館/Museum
【Site】ヘルシンキ/Helsinki
【Architect】スティーブンホール/STEVEN HOLL ARCHITECTS

よかったらシェアしてね!