注文住宅の間取りは自分で作れる?不安な人向けに考え方を6ステップで解説|住宅会社や設計者と相談するためのたたき台

注文住宅を建てたいと思ったとき、「自分で間取りを考えてもいいのだろうか」「素人が描いた間取りを工務店やハウスメーカーに見せても大丈夫なのだろうか」と不安になる人は多いと思います。けれど、最初から正確な図面を描く必要はありません。大切なのは、SNSや雑誌で見つけた「こんな家がいい」というイメージを、自分たちの暮らしに置き換えて整理することです。好きな写真を集め、好みを選び、言葉にして、住宅会社に伝える。その延長として、最後に間取りを描いてみる。この順番で進めれば、間取りづくりはぐっと考えやすくなります。この記事では、自分で間取りを考えたい人に向けて、進め方を6ステップで解説します。
注文住宅の間取りは、いきなり描かなくていい。
注文住宅を考え始めると、多くの人が最初に「間取り」を気にします。
リビングは何畳必要なのか。
キッチンは対面がいいのか。
洗面室と脱衣室は分けた方がいいのか。
収納はどれくらい必要なのか。
子ども部屋は最初から分けるべきなのか。
考えることが一気に増えて、「自分で間取りなんて作れるのだろうか」と不安になるかもしれません。

でも、最初からきれいな間取り図を描く必要はありません。
むしろ、いきなり図面を描こうとすると、細かい部屋の配置や広さばかりに意識が向いてしまい、自分たちが本当に大切にしたい暮らしが見えにくくなることがあります。
間取りは、最初に正解を出すものではありません。
自分たちの暮らし方、好み、困っていること、優先したいことを整理した結果として、少しずつ形になっていくものです。
つまり、自分で間取りを作る第一歩は、線を引くことではありません。
まずは、自分たちがどんな家に惹かれるのかを知ること。
そして、それを自分たちの生活に置き換えて言葉にすることです。
「自分で間取りを作る」とは、プロの代わりに図面を完成させることではなく、自分たちの考えを整理し、住宅会社や設計者に伝えられる状態にすることです。
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自分で間取りを考える6つのステップ
注文住宅の間取りを自分で考えるときは、次の6ステップで進めると整理しやすくなります。
| ステップ | やること | 目的 |
|---|---|---|
| 1 | 好きな写真を集める | 自分が惹かれるイメージを知る |
| 2 | 選択肢から好みを選ぶ | 好みの方向性を整理する |
| 3 | 暮らしに置き換えて言葉にする | なぜそれが必要かを伝えられるようにする |
| 4 | 住宅会社の特徴と照らし合わせる | 実現しやすい依頼先を考える |
| 5 | 具体的に伝える | 打ち合わせで希望を共有しやすくする |
| 6 | 間取りを書いてみる | 希望同士の関係や優先順位を見える化する |
この順番で進めると、「間取りを描けるかどうか」だけに悩まなくて済みます。
最初は、好きな写真を集めるだけで十分です。
そこから、なぜその写真が好きなのかを考える。
いくつかの選択肢の中から、自分たちの好みに近いものを選ぶ。
さらに、自分たちの生活に置き換えて、「なぜ必要なのか」を言葉にしていく。
そのうえで、工務店やハウスメーカーなどの特徴と照らし合わせ、最後に間取りのたたき台を作ってみる。
この流れで考えると、注文住宅の間取りは、いきなり難しいものではなくなります。
自分たちの暮らしを整理するための道具として、間取りを使えるようになります。
STEP1 好きな写真を集める
最初のステップは、好きな写真を集めることです。
この段階では、まだ間取りのことを細かく考えなくて大丈夫です。
Instagram、Pinterest、住宅会社の施工事例、雑誌、YouTube、モデルハウスの写真などを見ながら、「なんとなく好き」と思うものを集めていきます。
たとえば、次のような感覚で構いません。
明るいリビングが好き。
木の雰囲気が好き。
庭とつながる感じが好き。
ホテルのような洗面台に憧れる。
土間のある玄関がいい。
キッチンを中心にした暮らしがしたい。
窓から緑が見える家が好き。
最初から「この家をそのまま真似したい」と考える必要はありません。
また、「この写真は自分たちの予算でできるのか」「この間取りは敷地に入るのか」と考えすぎる必要もありません。
最初の目的は、自分がどんな空間に反応するのかを知ることです。
写真を集めるときのポイント
写真を集めるときは、場所ごとに分けておくと後で整理しやすくなります。
| 場所 | 集める写真の例 |
|---|---|
| 外観 | 屋根の形、外壁の素材、窓の雰囲気、玄関まわり |
| リビング | 明るさ、天井の高さ、窓の大きさ、家具の置き方 |
| キッチン | 対面型、アイランド型、壁付け型、収納の見せ方 |
| 洗面・脱衣 | 洗面台の広さ、室内干し、ランドリー動線 |
| 玄関 | 土間収納、ベビーカー置き場、帰宅動線 |
| 収納 | ファミリークローゼット、パントリー、見せる収納 |
| 庭・外部空間 | ウッドデッキ、植栽、外からの視線の隠し方 |
最初は10枚から20枚くらい集めるだけでも十分です。
大切なのは、たくさん集めることではなく、後から見返したときに「自分は何に惹かれているのか」がわかるようにしておくことです。
写真を保存するときに、ひとことメモを残しておくのもおすすめです。
たとえば、
「窓の感じが好き」
「床の色が落ち着く」
「キッチンとダイニングの距離感がいい」
「庭とのつながり方が好き」
「生活感が見えにくいのが良い」
というように、短い言葉で構いません。
このひとことがあるだけで、あとから自分の好みを整理しやすくなります。
写真を集める目的は、理想の家を丸ごと探すことではありません。
自分たちが惹かれる要素を見つけることです。
STEP2 選択肢から好みを選ぶ
写真が集まったら、次は好みを選択肢の中から選んでいきます。
いきなり「どんな家にしたいですか?」と聞かれると、多くの人は答えに困ります。
でも、「AとBならどちらが近いですか?」と聞かれると、少し考えやすくなります。
たとえば、リビングひとつを考える場合でも、方向性はいくつもあります。
明るく開放的なリビングがいいのか。
落ち着いたこもり感のあるリビングがいいのか。
庭とつながるリビングがいいのか。
キッチンを中心にしたリビングがいいのか。
家族がそれぞれ別々のことをしながら過ごせるリビングがいいのか。
来客を迎えやすいリビングがいいのか。
どれも魅力的ですが、すべてを同時に叶えようとすると、考えがまとまりにくくなります。
だからこそ、選択肢の中から「自分たちはどれに近いか」を選んでいくことが大切です。
好みを整理するための選択肢
| 項目 | 選択肢の例 |
|---|---|
| リビング | 開放感重視、落ち着き重視、庭とのつながり重視 |
| キッチン | 対面型、アイランド型、壁付け型、回遊型 |
| 収納 | 見せる収納、隠す収納、まとめる収納、分散収納 |
| 洗面 | 脱衣室と一体、脱衣室と分ける、ランドリーと一体 |
| 玄関 | 土間収納重視、見た目重視、帰宅動線重視 |
| 個室 | 最小限でよい、将来分けたい、趣味部屋がほしい |
| 外との関係 | 庭重視、眺望重視、プライバシー重視 |
| 家事動線 | 洗濯重視、料理重視、片付け重視、掃除しやすさ重視 |
ここで大切なのは、全部を選ぼうとしないことです。
注文住宅では、希望を出そうと思えばいくらでも出てきます。
SNSや住宅雑誌を見れば、便利そうな工夫や素敵な事例がたくさんあります。
でも、敷地の広さ、予算、建物の大きさ、構造、性能、工事費を考えると、すべてを同時に叶えることは難しい場合もあります。
だからこそ、「自分たちは何を重視したいのか」を見つけることが大切です。
選択肢から好みを選ぶ作業は、優先順位を考える準備になります。
好みを選ぶときは、家族でそれぞれ選んでみる
可能であれば、家族それぞれで選んでみるのもおすすめです。
夫婦や家族で同じ写真を見ていても、惹かれているポイントが違うことはよくあります。
たとえば、同じリビングの写真を見ても、
一人は「大きな窓が好き」と感じている。
もう一人は「ソファの配置が好き」と感じている。
別の人は「キッチンから見える距離感がいい」と感じている。
ということがあります。
同じ写真を選んでいても、理由が違うのです。
この理由の違いを早めに言葉にしておくと、家づくりの打ち合わせで意見がぶつかりにくくなります。
逆に、理由を整理しないまま進めると、「なんとなく好き」「なんとなく嫌」という感覚だけが残り、判断しにくくなります。
注文住宅では、家族の好みを完全に一致させる必要はありません。
大切なのは、お互いが何を大切にしているのかを理解することです。
STEP3 暮らしに置き換えて言葉にする
好みの方向性が見えてきたら、次はそれを自分たちの暮らしに置き換えて言葉にします。
ここが、間取りづくりで一番大切なステップです。
SNSや雑誌で見た家は、あくまで誰かの暮らしのために作られた家です。
写真として素敵でも、自分たちの生活に合うとは限りません。
たとえば、アイランドキッチンに憧れているとしても、その理由は人によって違います。
料理中に子どもの様子を見たい。
夫婦で一緒に料理したい。
友人を呼んで食事を楽しみたい。
キッチンをインテリアの中心にしたい。
回遊動線で家事をしやすくしたい。
生活感を出さずにすっきり見せたい。
同じ「アイランドキッチンがいい」でも、理由によって必要な間取りは変わります。
だからこそ、「何がほしいか」だけでなく、「なぜそれがほしいのか」を言葉にすることが大切です。
写真を暮らしの言葉に変える
| 好きなイメージ | 暮らしの言葉にすると |
|---|---|
| 大きな窓のあるリビング | 朝から明るい場所で過ごしたい |
| 庭とつながる家 | 子どもが外で遊ぶ様子を見守りたい |
| 広い洗面台 | 家族が並んで朝の準備をしたい |
| 土間収納 | ベビーカーやアウトドア用品を室内に置きたい |
| 回遊動線 | 家事中に行き止まりがあるとストレスになる |
| 吹き抜け | 家の中に開放感がほしい |
| パントリー | 食材や日用品をまとめ買いして保管したい |
| ランドリールーム | 洗う、干す、しまうを短い動線で済ませたい |
この作業をすると、写真の見た目だけではなく、自分たちの暮らしに必要な理由が見えてきます。
たとえば、「おしゃれな洗面台がほしい」と思っていたものが、よく考えると「朝の支度が混み合うのが嫌だ」という生活上の悩みだったと気づくことがあります。
この場合、必要なのは見た目の良い洗面台だけではありません。
家族が並べる幅。
脱衣室との分け方。
収納量。
照明の明るさ。
コンセントの位置。
ドライヤーや化粧品の置き場。
このように、写真を言葉に変えることで、間取りに必要な条件が見えてきます。
「欲しいもの」ではなく「困っていること」から考える
間取りを考えるときは、欲しいものだけでなく、今の暮らしで困っていることも整理しておくと役立ちます。
たとえば、
洗濯物を干す場所が足りない。
玄関に荷物があふれる。
リビングに子どものものが散らかる。
朝、洗面台が混み合う。
料理中に家族の様子が見えない。
収納はあるのに片付かない。
こうした日常の困りごとは、間取りを考えるうえでとても重要なヒントになります。
なぜなら、注文住宅では「不便を減らすこと」も大切な目的だからです。
理想のイメージだけを集めると、見た目の良さに意識が向きやすくなります。
一方で、今の暮らしの不満を整理すると、自分たちに本当に必要な機能が見えやすくなります。
「こうしたい」という憧れと、「これに困っている」という現実。
この両方を整理することで、間取りの方向性はかなり考えやすくなります。
STEP4 住宅会社の特徴と照らし合わせる
自分たちの好みや暮らし方が整理できてきたら、次は住宅会社の特徴と照らし合わせていきます。
注文住宅といっても、すべての会社が同じように自由な家づくりをしているわけではありません。
ハウスメーカー、工務店、設計事務所、規格住宅。
それぞれに得意なことがあります。
ハウスメーカーは、品質や性能、保証、仕組み化された安心感が強みです。
工務店は、地域性や現場対応、素材や施工の柔軟性が強みです。
設計事務所は、敷地条件や暮らし方に合わせた設計の自由度が強みです。
規格住宅は、コストや打ち合わせの負担を抑えやすいことが強みです。
どれが一番良いという話ではありません。
自分たちが何を重視したいかによって、相性の良い依頼先は変わります。
依頼先を考えるときの目安
| 重視したいこと | 相性が良い可能性のある依頼先 |
|---|---|
| 安心感・保証・性能のわかりやすさ | ハウスメーカー |
| 地域性・素材・現場対応 | 工務店 |
| 設計の自由度・敷地への対応力 | 設計事務所 |
| 価格のわかりやすさ・短い打ち合わせ | 規格住宅 |
| 標準仕様の中から選びたい | ハウスメーカー、規格住宅 |
| 細かく相談しながら作りたい | 工務店、設計事務所 |
この段階で大切なのは、住宅会社を先に決めすぎないことです。
もちろん、気になる会社がすでにある場合は、それでも構いません。
ただし、自分たちの希望が整理できていない状態で住宅会社を選ぶと、「本当にこの会社が合っているのか」が判断しにくくなります。
先に会社を決めると、その会社の選択肢の中で考えることになります。
標準仕様、間取りの考え方、設計の自由度、価格帯、打ち合わせの進め方。
これらは会社によってかなり違います。
だからこそ、まずは自分たちの好みや暮らし方を整理し、それから住宅会社の特徴と照らし合わせるのがおすすめです。
住宅会社選びは、間取りの自由度にも関わる
間取りを自分で考えたい人にとって、住宅会社の選び方はとても重要です。
なぜなら、依頼先によって、間取りの自由度や進め方が変わるからです。
たとえば、規格住宅や一部のハウスメーカーでは、用意されたプランや仕様の中から選ぶことで、コストや打ち合わせの負担を抑えやすくなります。
一方で、敷地条件や暮らし方に合わせて細かく作り込みたい場合は、設計力のある工務店や設計事務所の方が向いていることもあります。
また、工務店でも会社によって得意分野は違います。
自然素材が得意な会社。
高性能住宅が得意な会社。
デザイン性の高い住宅が得意な会社。
コストバランスの良い住宅が得意な会社。
地域の敷地条件に詳しい会社。
自分たちがどんな暮らしをしたいのかが整理できていると、住宅会社の特徴も比べやすくなります。
「どの会社が有名か」ではなく、「自分たちの希望を実現しやすいか」で考えることが大切です。
STEP5 具体的に伝える
住宅会社や設計者に相談するときは、希望をできるだけ具体的に伝えることが大切です。
ただし、専門用語で話す必要はありません。
大切なのは、自分たちの生活の場面とセットで伝えることです。
たとえば、
明るい家にしたい。
収納をたくさんほしい。
家事動線をよくしたい。
おしゃれなキッチンにしたい。
子育てしやすい家にしたい。
これらは、多くの人が持っている希望です。
ただ、このままだと少し抽象的です。
もう一歩具体的にすると、伝わり方が変わります。
朝食を食べる時間にダイニングが明るいと嬉しい。
ベビーカーや外遊び道具を玄関近くに置きたい。
洗濯して、干して、しまうまでを同じ階で完結させたい。
夫婦で同時にキッチンに立ってもぶつからないようにしたい。
キッチンからリビングと庭の様子を見たい。
ここまで伝えられると、設計者や工務店も間取りに反映しやすくなります。
抽象的な希望を具体的にする
| 抽象的な伝え方 | 具体的な伝え方 |
|---|---|
| 収納がほしい | ベビーカー、外遊び道具、キャンプ用品を玄関近くに置きたい |
| 家事動線をよくしたい | 洗濯、干す、しまうを同じ階で完結させたい |
| 明るいリビングがいい | 朝食の時間に自然光が入るダイニングにしたい |
| 広いキッチンがいい | 夫婦で同時に料理してもぶつからない幅がほしい |
| 子育てしやすい家にしたい | キッチンからリビングと庭の様子を見たい |
| 片付く家にしたい | 帰宅後のカバン、上着、郵便物の置き場を決めたい |
| 来客しやすい家にしたい | 玄関からリビングまで生活感が見えにくい動線にしたい |
具体的に伝えるときのポイントは、「間取りの形」を決めつけすぎないことです。
たとえば、「絶対に回遊動線にしたい」と伝えるよりも、「料理中や洗濯中に行き止まりがあるとストレスなので、できるだけ移動しやすくしたい」と伝える方が、より良い提案につながることがあります。
要望を具体的に伝えることと、解決方法を決めつけることは少し違います。
自分たちは、暮らしの希望や困りごとを伝える。
設計者や住宅会社は、それを間取りや仕様として提案する。
この役割分担ができると、打ち合わせはかなり進めやすくなります。
伝えるときは「理由」までセットにする
住宅会社との打ち合わせでは、「何がほしいか」だけでなく、「なぜほしいか」を伝えることが大切です。
たとえば、「パントリーがほしい」と伝えるだけだと、どのくらいの広さが必要なのか、何をしまう場所なのかがわかりにくい場合があります。
でも、
週末にまとめ買いをすることが多い。
飲み物や日用品のストックが多い。
キッチンまわりに物を出したくない。
冷蔵庫の近くに食品庫があると使いやすい。
という理由まで伝えると、必要な収納量や位置が考えやすくなります。
同じように、「広い洗面がほしい」場合も、
朝に家族の支度時間が重なる。
ドライヤーや化粧品を置きたい。
洗濯物を一時的に置く場所がほしい。
脱衣室とは分けて来客にも使いやすくしたい。
という理由によって、必要な形は変わります。
注文住宅では、要望そのものよりも、要望の背景にある暮らし方が重要です。
理由が伝わると、住宅会社側も別のより良い提案をしやすくなります。
STEP6 間取りを書いてみる
最後に、間取りを自分で書いてみます。
ここまで来てから間取りを書くと、いきなり図面を描くよりもずっと考えやすくなります。
なぜなら、すでに次のことが整理されているからです。
好きなイメージ。
好みの方向性。
暮らしの理由。
住宅会社との相性。
具体的に伝えたいこと。
この段階で書く間取りは、完成図ではありません。
あくまで、自分たちの考えを見える形にするためのたたき台です。
手書きでも構いません。
方眼紙にざっくり描いてもいいです。
間取り作成アプリを使ってもいいです。
大切なのは、きれいな図面を作ることではなく、希望同士の関係を見える化することです。
間取りを書いてみると、頭の中で考えていたときには気づかなかったことが見えてきます。
リビングを広くすると収納が足りない。
洗面を広くすると玄関が狭くなる。
回遊動線にすると面積が増える。
個室を増やすと家族で過ごす場所が小さくなる。
庭を広く取ると駐車スペースが難しくなる。
水まわりをまとめると、他の部屋の配置に影響する。
このように、希望同士がぶつかる部分が見えてきます。
これは失敗ではありません。
むしろ、間取りを書く大きな意味です。
間取りは、自分たちの希望の優先順位を確認するための道具でもあります。
間取りを書くときに意識したいこと
| 項目 | 考えること |
|---|---|
| 玄関 | 帰宅後に何をどこに置くか |
| リビング | 家族がどの時間にどう過ごすか |
| キッチン | 誰が料理するか、何人で立つか |
| 洗面・脱衣 | 朝の支度、洗濯、入浴の流れ |
| 収納 | 何をどこで使い、どこにしまうか |
| 個室 | 今必要か、将来必要か |
| 外部空間 | 庭、駐車場、道路、視線との関係 |
自分で書いた間取りは、そのまま建てるためのものではありません。
プロに相談するための材料です。
「自分たちはこう考えています」
「ここを大切にしたいです」
「ここで迷っています」
「この配置にしたいけれど、無理があるか見てほしいです」
このように伝えるためのたたき台として使うと、とても役に立ちます。
間取りを書くときに避けたいこと
自分で間取りを書くときに避けたいのは、最初から完成度を求めすぎることです。
寸法を正確に描こうとしすぎる。
構造まで自分で判断しようとする。
SNSで見た間取りをそのまま真似する。
家族の要望を全部詰め込む。
予算や敷地条件を無視して理想だけで描く。
このように進めると、途中で苦しくなってしまいます。
自分で間取りを書く目的は、プロの図面を作ることではありません。
自分たちの希望を一度見える形にすることです。
そのため、最初はざっくりで十分です。
リビングとキッチンは近い方がいい。
洗濯と収納は近くしたい。
玄関近くに荷物置き場がほしい。
寝室は静かな場所に置きたい。
庭はリビングから見える位置にしたい。
このくらいの関係性を考えるだけでも、十分に意味があります。
きれいな図面にするよりも、「なぜこの配置にしたいのか」を説明できることの方が大切です。
自分で作った間取りは、プロに見てもらう前提で考える
自分で間取りを作ることには、大きなメリットがあります。
家族で希望を共有しやすい。
住宅会社との打ち合わせが進めやすい。
提案された間取りを判断しやすい。
自分たちの優先順位が見える。
家づくりに受け身になりにくい。
一方で、自分で作った間取りをそのまま建てられるとは限りません。
実際の家づくりでは、専門的に確認しなければいけないことがたくさんあります。
構造。
耐震性。
採光。
通風。
断熱。
法規制。
敷地条件。
道路との関係。
配管計画。
コスト。
施工性。
これらは、専門家の確認が必要です。
だからこそ、自分で作った間取りは「完成図」ではなく、「相談のための材料」と考えるのがおすすめです。
自分で間取りを考える目的は、プロの代わりになることではありません。
自分たちの暮らしを、自分たちの言葉で伝えられるようになることです。
自作の間取りがあると、打ち合わせはしやすくなる
住宅会社や設計者に相談するとき、自分で描いた間取りがあると、打ち合わせの出発点を作りやすくなります。
もちろん、その間取りがそのまま採用されるとは限りません。
むしろ、プロが見れば、構造的に難しい部分や、面積が大きくなりすぎる部分、動線がうまくいかない部分が見つかることもあります。
でも、それで問題ありません。
自分で描いた間取りがあることで、
何を大切にしたいのか。
どこで迷っているのか。
どの希望を優先したいのか。
どの部分は変えてもよいのか。
という話がしやすくなります。
間取りは、正解を示すためのものではなく、対話を始めるためのものでもあります。
「この間取りで建てたい」と決めつけるのではなく、「このように考えているので、プロの視点で見てほしい」と伝えると、相談しやすくなります。
注文住宅は、最初から正解の間取りを探さなくていい
注文住宅では、最初から正解の間取りを探そうとすると、かえって迷いやすくなります。
SNSで見た素敵な家。
雑誌で見た憧れの暮らし。
ネットで見つけた便利な家事動線。
知人から聞いた「これはやった方がいい」という情報。
どれも参考になりますが、全部をそのまま取り入れると、自分たちにとって本当に必要なものが見えにくくなります。
大切なのは、情報を集めることではなく、自分たちの暮らしに合う形に整理することです。
そのためには、次の順番が有効です。
好きな写真を集める。
選択肢から好みを選ぶ。
暮らしに置き換えて言葉にする。
住宅会社の特徴と照らし合わせる。
具体的に伝える。
最後に間取りを書いてみる。
間取りは、いきなり描くものではありません。
暮らしの整理から、少しずつ見えてくるものです。
自分で間取りを作るのが不安な人ほど、まずは写真を選ぶところから始める
「自分で間取りを作る」と考えると、難しく感じるかもしれません。
でも、「好きな写真を選ぶ」ことなら始めやすいはずです。
そこから、
なぜ好きなのか。
どんな暮らしにつながるのか。
自分たちの生活ではどこに必要なのか。
何を優先したいのか。
どう伝えればよいのか。
を少しずつ整理していけば、間取りを考える土台は作れます。
注文住宅の間取りづくりは、専門家だけが考えるものではありません。
もちろん、構造や法規、施工性、コストの確認はプロの力が必要です。
でも、自分たちの暮らしを一番よく知っているのは、自分たちです。
だからこそ、最初から完璧な図面を目指すのではなく、自分たちの希望を整理し、伝えられる状態をつくることが大切です。
間取りは、暮らしを考えるための道具です。
まずは、好きな写真を集めるところから始めてみると、注文住宅の間取りづくりはぐっと考えやすくなります。
まとめ:自分で間取りを作ることは、暮らしを整理すること
注文住宅の間取りを自分で作ると聞くと、専門的で難しいことのように感じるかもしれません。
しかし、最初から正確な図面を描く必要はありません。
大切なのは、自分たちがどんな家に惹かれ、どんな暮らしをしたいのかを整理することです。
好きな写真を集める。
選択肢から好みを選ぶ。
暮らしに置き換えて言葉にする。
住宅会社の特徴と照らし合わせる。
具体的に伝える。
最後に間取りを書いてみる。
この順番で進めれば、間取りづくりは「難しい図面作成」ではなく、「自分たちの暮らしを整理する作業」になります。
自分で作った間取りは、完成図でなくても構いません。
むしろ、住宅会社や設計者と相談するためのたたき台として使うことで、家づくりの打ち合わせは進めやすくなります。
注文住宅で大切なのは、最初から正解の間取りを見つけることではありません。
自分たちにとって納得できる暮らしの形を、少しずつ言葉にし、空間に置き換えていくことです

「何から考えればいいかわからない」
そう感じている段階こそ、相談のタイミングです。
一緒に、整理するところから始めましょう。
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