madorismの間取りをつくる建築家
原宏佑(はらこうすけ)
鎌倉市在住の建築家。

関東近辺で約3年の土地探しを経て、30代で北鎌倉に自邸を建築。家づくりを通して、物件探しに大ハマり、今でも鎌倉の物件情報に目がない。「鎌倉で次住むならここが一番だ!」を探し続けて、さすがに2軒目は自身では難しいので、誰かに実現してほしいと心から思い、間取りにストーリーを込めて日々作成している。

注文住宅の土地探しマップ|鎌倉の暮らしの地図|建築家目線のすぐに買える掘出し物件|Google Mapでエリア表示

記事の概要

鎌倉で注文住宅を建てるため土地を探し中。今は都内に住んでいるけど、鎌倉に憧れを持っている。自然が多く、ゆったりとした暮らしをしてみたい。だけど、鎌倉の中でも様々な場所があるから、どのエリアに絞ればいいのかわからない。とにかく緑に囲まれて自然・住環境にフォーカスした土地を建築家目線で探してみましたので、土地探しの参考にご覧いただければ幸いです。暮らしの地図も参考にご覧ください。

記事の目的
  1. どんな人の誰のために?
  2. 何が問題で?
  3. どう解決できる?

  1. 鎌倉エリアで土地を探している
  2. 鎌倉暮らしに魅力を感じるが、土地勘がない
  3. 暮らしの地図で住むイメージをしてみる

鎌倉を住む場所として選んだ基準(独断と偏見)

自然-nature
海(umi)
緑(midori)。以上

まったくの嘘です。自然豊かな環境を好むというのは紛れもない事実ですが、その他にも色々と余り余る希望があります。予算次第ではあるものの、鎌倉エリアで、ここなら気持ちよく暮らせるぞ!という視点で以下ポイントをベースとして土地探しを行いたいと思います。

鎌倉の土地選びの前提条件

鎌倉の街全体が山並みと住宅街で構成されており、多くの方がこれらの希望条件を思い浮かべると思います。これらの要素は前提条件として、一旦頭の片隅に置いておいてもらえればと思います!

  • 海が見える(できれば)
  • 緑が見える(できれば)
  • 富士山が見える(できれば)
  • 街路樹や自然、緑が多い
  • 閑静な住宅街

以上を頭に入れていただいた上で
どのエリアを狙えばいいのか?
を考えていきたいと思います。

最寄駅ごとの比較表(通勤しやすさ・暮らしやすさ・土地価格)

まずは東京駅までの通勤を前提として、電車に乗っている通勤時間を考慮しながらエリア選定をした場合、約1時間〜1時間20分程度は乗車時間がかかることを想定していなければなりません。

とはいえ

ずっと立ち続けて、1時間電車に揺られることはなく、ゆったりと座って通勤することもできます。

というのも

JR横須賀線にはグリーン車があり、モバイルSuicaなどのポイントを利用することで、400P〜600P(普通に乗車するとモバイルSuicaで1000円、紙だと・・なんと2倍、いや3倍の1260円!)の負担で、通勤する電車の座席に簡易デスクをプラスすることができます。

ということで、朝活をしている時間が1時間程度も取れるということで、むしろプラスに捉えられる方はこの通勤時間の長さは無かったことになるかもしれません。

とはいえ、1時間は短い時間ではないため、毎日の通勤は甚だ過酷なものであるのは理解できます。
在宅勤務・テレワークなどを併用している場合、現実的な選択肢になるのではないかと思います。

都内勤務である場合は、まずはこのハードルを超えられる方が鎌倉移住の前提になるのではないかと思います。(ただ、在宅メインの勤務ではない方も当然のことながら、いらっしゃると思います)

スクロールできます
鎌倉駅北鎌倉駅長谷駅稲村ガ崎駅極楽寺駅七里ガ浜駅西鎌倉駅
東京駅まで54分51分62分68分65分75分62分
地名御成・佐助・笹目山ノ内・台長谷・坂ノ下稲村ガ崎極楽寺七里ガ浜西鎌倉
飲食店
食料品
道広さ
地形谷戸谷戸谷戸谷戸谷戸高台高台
土地
価格
148.7 万円/坪91.5 万円/坪105.7 万円/坪94.9 万円/坪103.6 万円/坪115.0 万円/坪73.9 万円/坪

※駅までの時間は平日午前9時00分頃にJR東京駅へ到着することを想定しています。
※土地価格は土地購入情報サイトSUUMO(スーモ)を参照しています。

おすすめのエリアは地名まで絞っています。

Googleマップで検索いただけると、エリアが赤線で表示されます。
土地探しの際の参考にしていただければと思います。

また、このエリアはあくまで、目安のエリアなので、外れるとダメとかではないです。他の条件が色々と組み合わさって判断しなければならないので、比較表はあくまで参考程度にしてください。

飲食店、食料品に関しては
自分なりの独断で
本当に最寄駅近辺だけで暮らしていけるかな?どうかな?

といった目線で評価しています。

鎌倉は平地が少なく、ひとつひとつの駅も小さいため
駅前に大規模な店舗などはありません。

なので、どこに住んでいても
車が必要になることを前提にした方がいいと思っています。

鎌倉はエリアごとに特色ある住宅街が広がっている。山派・海派問わず、受け入れる環境が広がっている。

谷戸の旧市街
台地の新興住宅街

ここで言うところの「谷戸の旧市街」とは、主にJR横須賀線(鎌倉駅、北鎌倉駅)および江ノ島電鉄線(各駅)の沿線沿いにある住宅街で、「台地の新興住宅街」とは、主に湘南モノレール沿線沿いにある住宅街のことを指しています。

出典:https://kamakura.press/about-area/

鎌倉駅ひとつとっても、東側と西側で随分と様相が変わります。

鎌倉は地形に沿って街が形成されているため、土地探しの際は、周辺環境がどのようになっているのか?山が多く斜面地も多いので災害に備えたり、谷戸は谷間になっているので、日当たりの面でも、方角を気にしながら周辺を歩いてみることをオススメします。

上記の地図によると

鎌倉が大三角形(鎌倉駅・大船駅・湘南江の島駅(藤沢市ですが、欄外にあります))の大きなトライアングルで形成されていることがわかります。囲まれたエリアや沿線に近づくほど居住地が多く、離れるほど山並みが豊かになります。

谷戸の旧市街

谷戸(やと・やつ)とは丘陵地が浸食されて形成された谷状の地形であり、一般的には谷(や、やと)・谷津(やつ)・谷地、萢(やち)・谷那(やな)などと呼ばれ、主に東日本(関東地方・東北地方・北海道)の丘陵地で多く見られます。

鎌倉では「長谷、扇ヶ谷、瓜ヶ谷」など”谷”とついた地名が幾つかあります。谷間になっており、奥に細長くなっている典型的な旧市街の住宅エリア(場所によっては、棚田が残っていることがある)はまさに、谷戸の住宅街であり、昔から存在しているため「谷戸の旧市街」と呼ぶことにしたいと思います。

道路が狭く、宅地も不整形であることが多く、また急斜面に面していることが多い一方で、鎌倉らしい、昔ながらの暮らしの風景が残るエリアです。

台地の新興住宅街(高級住宅街)

台地の新興住宅街は、いわゆる湘南モノレール(大船駅と湘南江の島駅を結ぶ・1970年開業の地域密着型の公共交通)の各駅に点在しており、西鎌倉は1966年頃から住宅街が形成され始めました、いわゆる宅地造成の開発地であるため、車道も広く宅地が整形なのが特徴です。

当時の高級住宅地として開発された背景があり、ゆったりとした街並みが整備されており、開発時に「富士山の見える家」や「海の見える家」などといった、富裕層が好む別荘のような眺望が意識されているエリアです。

鎌倉|暮らしの地図

鎌倉に住んで数年、頭の中にある鎌倉を暮らしの地図をGoogleマップに、書き出してみました。

このマッピング状況を、少し意識して見てもらいたいんですが

実は「鎌倉駅・大船駅・湘南江の島駅」の大三角形(鎌倉の大三角形ともいうべきか・・)を軸としている街が形成されている気がしてきます。鉄道が三角形につながっているので、当然ではあるのですが、このトライアングルを常に意識してみてもらえると、鎌倉という街の構造が理解しやすくなると思います。

普段使いできる鎌倉の生活道路

暮らしの地図には「生活道路となる、よく使う車の道」を記載しており、初めて鎌倉に暮らす方にとって見やすくなるように考慮しています。

・赤色ライン:対向車線が別で道幅が広い道路
・青色ライン:対向車線は分かれていないものの、すれ違いが容易で、日常的に使える道路

その他にも道路はありますが、実際に鎌倉に住んでみて、この道はメインの生活道路になるだろうという観点でマッピングしています。

鎌倉のスーパーマーケットや個人商店(米・パン・肉・魚・野菜など)

また、スーパーマーケットや個人商店(米・パン・肉・魚・野菜など)は、普段の暮らしの中の使い勝手を念頭に置いて選んでいます。鎌倉には大規模店舗がなく、小さな個人商店が近く(道沿いなど)に集積して、異なる店舗を補完し合うことで街全体が店舗街になっているとも言えます。

この集積した小さな店舗群(専門性・こだわりの強い)が、鎌倉の街の面白さ、暮らしやすさにもなっている気がします。

土地探しに関して言えば、中規模スーパーマーケットに関しては好みに個人差があるので、多少離れていても車で利用できるので、土地選びに特に考慮しなくてもいいのかなと思っています。

鎌倉の暮らしの中心地|商店街ではない商店街(鎌倉駅ー長谷駅間)

鎌倉の暮らしの中心は鎌倉駅ではなく、ゆるやかにつながる専門的な小さな個人商店の連なりだと思います。場所は鎌倉駅ー長谷駅間の御成通りから始まり、由比ヶ浜大通りの長谷寺に向かう道路沿い。

駅名で言うと「和田塚駅、由比ヶ浜駅」あたり一体のことで、この近辺にはこだわりの詰まった店舗が建ち並んでいます。

鎌倉の新駅(大船-藤沢駅間の「村岡新駅」)

話は逸れますが

今後開発される新駅(大船-藤沢駅間の「村岡新駅」は着工しており32年開業を目指しています)や新しく移転する鎌倉市庁舎により、鎌倉駅が観光都市としての役割として大きくシフトすると考えられます。

また、将来的には新興住宅地として「大船・湘南江の島駅・藤沢駅」の新たな大三角形の軸が意識されることになると思います。旧市街・新興住宅街に対して、新たな現代都市(第3世代)が生まれることになると思います。

当然のことながら、鎌倉市としては新しい世代を迎え入れることになり、住んでいる年齢層や歴史観・居住歴・国籍も多様化することになるので、今後他の都市圏よりも魅力的な街になる可能性があります。

深沢エリアは未だ未開発の土地も多く、今後の動向を注視したいと思っていますし、暮らす街が便利になっていくことは喜ばしいことです。

現鎌倉市役所跡地の建築計画について

どこの街にでもあるような表層的な建築ではなく、空間として”鎌倉らしい”ものになってほしいと思っています。

現鎌倉市役所の跡地計画の建築は、もともと存在していたであろう西側の山並みの延長として、鎌倉の谷戸の地形を再現するような形状で、さまざまな機能を享受することのできる「谷戸の広場」というような”鎌倉らしい空間”があればいいなと思っております。

家づくりに必要なコト、ぜんぶ。
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